2016.05.18 cyzo woman
たつぽよがちょと本気だしゃこの美少年ぶりよ |
枠の喪失の一番大きなきっかけは、かつてデビューと同時に爆発的人気を得たKAT‐TUNが、徐々にメンバーが減り、とうとう「充電期間」に入ってしまったこと。また、本来はその枠を引き継ぐ存在だったかもしれないギラギラ不良系のKis‐My‐Ft2が、「舞祭組」押しによるイメージの変化、さらに、SMAP独立騒動の余波でマネジメントが代わった流れから、露出低下気味になっていることもある。
授業中は机に突っ伏して寝ていて、赤点ばかりで、不愛想で不器用でケンカっぱやくて、ちょっとおバカで、それでいて雨に濡れる子犬にこっそり傘を差してあげるようなタイプが好きな女性というのは、いつの時代にもいる。
そういったキャラの枯渇状態と、世の中の需要をあらためて感じたのが、KAT‐TUN・上田竜也と、Hey!Say!JUMPの高木雄也への注目度だ。
両者ともに、世間的な知名度やテレビでの露出度は、グループ内の他メンバーに比べて高くない。にもかかわらず、このところ、バラエティ番組に出るたびに、その名前がTwitterのトレンドに登場し、「カッコイイ」「可愛い」「優しい」などという声が続出している。
高木の場合は、『ごくせん』第3シリーズ(日本テレビ系)で不良を演じ、クールでいかつく見える→実はマザコンでママのおにぎりが大好きキャラ→なぜか現在は「オネエキャラ」に移行中。大型犬のような無邪気さ、適度なだらしなさも魅力になっている。
一方、上田はこれまで数々のキャラ変えをしてきた。
そうした迷走の歴史を経て起こったのが、上田が出演した『櫻井・有吉THE夜会』(同、4月28日放送)。上田の「第一印象の悪さを克服」するという企画で、りゅうちぇるによって“原宿系男子・たつぽよ”に変身させられたところ、Twitter急上昇ワードには「上田竜也」が登場。「上田竜也カワイイな(笑)」「上田さん可愛いすぎて叫んだ」「上田竜也やっぱりかっけー!」「上田竜也くそカッコイイ」などの絶賛の声があふれていた。
だが、上田は今でこそ「いかつくて怖い」扱いされているものの、かつてはジェンダーレスで可愛い系男子だった時期があり、そうした過去に触れられないことに対してファンの間では「記憶喪失」説まで出ていた。
ともあれ、「妖精が見える」迷走期を経て、ドラマで坊主頭になり、ボクシングに傾倒したりしつつ、後にたどり着いたのが、現在のスタイルであり、今が一番素に近いと語っていることもある。
ファンの中には、かつてのフェミニン時代を懐かしむ声もあるが、迷走の果てにたどり着いた現在の「いかつく見えて、不器用な心優しき不良」に沸く層は、じわじわと確実に増えている。KAT‐TUN4人最後の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で号泣したこと、『オールスター感謝祭2016』(TBS系)のミニマラソンで優勝して「メンバーやファンのために負けられない」とコメントしたことなどからも、新たなファンが増えているように見える。
上田と高木に共通しているのは、どちらも口下手で笑顔を作ってみせるのがヘタで、素直で、童顔で、仲間思いで優しくて、懸命に自己プロデュースする中でさまざまな迷い・悩みを経験してきていること(+関係ないが、どちらも足が非常に長い)。
しかも、上田は現在32歳で、高木は26歳。どちらも青くさい不良じゃなく、優しさがダダ漏れてしまうイイ感じの大人の不良になっている。現在ジャニーズファンの間で急募されており、世間にも一定数需要がある「心優しき不良」枠をどうにか2人が埋めていってくれないものか。
ちなみに、現在、Jr.の中でもそうした枠を探すべく(?)、SixTONES(旧バカレア組)やPrince(岩橋玄樹、神宮寺勇太、岸優太)、『ジャニーズ銀座2016』で作られた新ユニット「Love‐tune」(安井謙太郎、萩谷慧悟、真田佑馬、森田美勇人)などが不良っぽい楽曲にも盛んにチャレンジしている。
今後の「不良枠」の成長に、期待したい。
(田幸和歌子)
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