Monday, July 3

成為漫畫家的歷程

 ジャニーズ中丸雄一さん漫画家デビュー 夢への「執念」とワクワク

7/3(月) 16:21配信 毎日新聞

中丸雄一さん

 人気アイドルグループ「KAT―TUN(カトゥーン)」の中丸雄一さん(39)が、6月23日発売の青年コミック誌「月刊アフタヌーン8月号」(講談社)で漫画家デビューを果たした。音楽活動やテレビ番組出演と多忙な生活を送る中、ある出会いをきっかけに7年越しで幼いころの夢を実現させた。デビューは「もう執念」と語った中丸さん。その言葉の真意とは――。【宮川佐知子】 


 ◇「ドラゴンボール」作者に憧れて


 6月中旬、朝の情報番組「シューイチ」(日本テレビ系)の出演を終えた中丸さんが取材に応じてくれた。発売前の心境を尋ねると、「楽しいです。毎日ワクワクが止まらない」と声を弾ませた。


 物心ついた時から家族に褒められるのがうれしくて絵を描いた。漫画「ドラゴンボール」の作者、鳥山明さんに憧れ、漫画家を目指すように。「一瞬で宇宙に行けるなど、漫画の自由なところに子どもながらに感動したんですね」


 どうやったら漫画を描けるのか。実際に試してみようと、中学生の時にお小遣いをためて初心者向けの道具を買った。しかし、慣れないペンではうまく描けず、物語の構想も浮かばない。「何から何まで分からない」と自信を失ってしまった。


 ◇ジャニーズ事務所に入所


 そんなころだ。中学3年生の時に同じクラスの女の子に勧められてジャニーズ事務所に履歴書を送り、オーディションに合格した。新たな目標に向かい、漫画家の夢は遠のいていった。


 一方、仕事を通じて「絵」との接点は増えた。念願のグループデビューを果たした2006年、テレビ番組の企画でTシャツデザインの原案を手がけた。アイドル雑誌「WiNK UP」(ワニブックス)で2012年から約9年間、絵本やイラスト制作の基礎を学ぶコーナーを担当した。「雑誌に載せるのでしっかりと向き合って描いていました」


 ◇漫画家、東村アキコさんとの出会い


 転機は7年前。ドラマ出演を通じて知り合った漫画家の東村アキコさんに絵を描くのが好きなことを話題にしたところ、「漫画家を目指してみたら」と提案された。


 頭をよぎったのは1998年末、事務所に入って間もないころの気持ち。先輩グループ「KinKi Kids」(キンキ・キッズ)のバックダンサーとして初めて東京ドームのステージに立った時だ。


 興奮と緊張が入り交じる中で、「プロなんだからそのつもりでやる」と自身を奮い立たせた。「ジャニーズに入って学んだのは無理だと思ってもやっていくうちに自信になる。行動しちゃったもんがち。漫画もそうかもしれない。とりあえず動いてみようと」


 ◇コロナ禍の4コマ漫画で手応え


 空き時間を見つけては数枚程度の短編漫画を描いた。2020年にはコロナ禍の「ステイホーム」をテーマにした4コマ漫画をネット交流サービス(SNS)で投稿した。


 感染予防を呼びかける漫画では、厚生労働省や米疾病対策センター(CDC)の情報も確認した。コメント欄には「ためになる」などと反響があり、次を楽しみにする声が多く寄せられた。手応えを感じるようになった。


 それから間もなく、自作を手に事務所に漫画家としての活動を打診。東村さんのつながりで講談社の編集者を紹介され、約3年にわたり準備を進めてきた。編集者や知り合いの漫画家から制作のいろはを一から学び、タブレット端末を使って仕事の合間に漫画の下描きになる「ネーム」に取り組んだ。


 主人公が月と地球を救う100ページ近い大作を1年かけて完成させたが、編集者に「話を詰め込みすぎ」と言われてボツに。それでも諦めずに描き続けて、ようやく漫画家デビューをつかみ取った。


 ◇「読んでほっこりしてほしい」


 月刊アフタヌーンで短期連載が始まった作品「山田君のざわめく時間」は、ささいなことに「ざわめいて」しまう主人公・山田雄一(やまだ・おいち)の日常を描く。


 初回は、マッサージ店を舞台に、山田君の心の葛藤をユーモラスに描いた内容。「前からどうにかならないかと思っていた」という実体験を取り上げているという。


 「ほっこりしたり、夢中になったりする感覚がほしくて漫画を読んでいたので、この作品も隙間(すきま)時間にちょっと笑ってもらう、そういう存在になったらいいですね」


 漫画のアイデアには、タレント活動の経験も反映させていくという。「ジャニーズのタレントしか知らない話などアドバンテージは使っていきたいです」


 ◇惜しみない漫画への情熱


 人物描写や立体感のある描き方など試行錯誤を続ける。取材中、前のめりになって答えてくれたのが「ペン先の太さ」へのこだわりだった。


 「ベテラン漫画家さんからのアドバイスを受け、2話目以降、ペン先の太さを1・5ミリから0・7ミリに変えました」


 アドバイスを聞いた時は「理由がよくのみ込めていなかった」と振り返ったが、実際に描いてみて分かったという。


 教えてもらったとおり強弱を意識しながら細かい線を重ねた。「光が後ろから当たる部分を描いていて、『うわ、本当だ』と思いました。微調整しながらうまく表現できました。でもその分めちゃくちゃ時間かかるんですよね」


 そう楽しそうに話す姿からは、漫画への惜しみない情熱がうかがえた。




 なかまる・ゆういち 1983年、東京都生まれ。1998年にジャニーズ事務所に入所。2006年に「KAT―TUN」のメンバーとしてデビュー。2013年3月、早稲田大人間科学部通信教育課程卒業。歌手、俳優、コメンテーターなど幅広い分野で活躍する。

No comments: